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代表理事あいさつ

フリービーの役割
それは 「学び」を通して
生きる力を引き出すこと

私たちフリービーは、「すべての子どもたちに教育のチャンスを!」をコンセプトに、不登校、学習遅延、発達障害、経済的事情など様々な課題をもつ中高生のために、杉並区の地域区民センターで無料塾を開き、本格的な学習支援を行っています。

2012年、私はフリービーの立ち上げ時より講師兼任の理事として、共に歩んでまいりました。東日本大震災という未曽有の出来事に「いつ何が起きるかわからない」ことを痛感。限りある人生、何か社会の役に立てることはないかと思いを巡らしていた時、「英語の教員免許を持っているなら手伝ってもらえないか」と声をかけてもらったことがきっかけでした。家庭教師や塾の講師をしながら大学を出た私は、もともと勉強を教えることが好きでした。

不登校の生徒さんが希望の都立高校に合格し、高校生になって日焼けして教室に遊びに来てくれたこと。高卒認定試験に無事合格し高校卒業と専門学校進学につながった生徒さんなど、この10年には、たくさんの宝の思い出があります。一人一人に個性があるので、どうしたら、英単語を覚えられるようになるのか、どう教えたら理解できるか、ということを懸命に考えて取り組んできました。わからなかった問題が「わかった」ときのニコッとする子どもの顔をみることは、何よりも嬉しいものです。

適切な時期に効果的な学習支援を受けることによって、子どもたちは、ひとり一人が本来持つ潜在的な力に気づくことができ、少しずつ自信をつけていくことができます。

また、フリービーの講師は、元教員やエンジニア、海外駐在歴のある会社員等、社会で経験を積んだシニア世代で構成されていることも、大学生のボランティアが多い他の無料塾と異なる大きな特徴です。頑張れば、自分の力で人生を切り開いていくことができることを子どもたちに伝え、時にはグローバルな視点も持ちながら、その子にとってベストな進路を共に考えることが可能です。

目標を設定し努力することによってそれを達成すること。
小さな達成の積み重ねによって自信を獲得すること。
信頼する周囲の人々から承認される喜びを学習を通して経験すること。

これらの経験を通して自尊心をアップし、自分らしく自信を持って生活する。そのためのはじめの一歩として、フリービーの学習支援プロジェクトがあります。 私たちの目標は、子どもたちが将来社会の中で自立した生活を送ることです。フリービーでの学びが、子どもたちの生きる力を引き出すきっかけになることを、心から願っています。

一方、教える私たち大人側も、学び続けることがいかに大切かを痛感した10年でした。めまぐるしく変化する時代、学びが必要なのは、子どもばかりではありません。そのためにもこれからのフリービーは、社会で生きていく上で必要な学びの場を、あらゆる世代に提供することを視野に、バージョンアップを続けていく所存です。フリービーも、子どもたちとともに成長し続けてまいります。

一般社団法人まなびの塾フリービー


代表理事 森嶋美紀子
1986年津田塾大学卒